閉塞性大腸炎

膵内分泌腫瘍で膵体尾部・脾臓合併切除を行ってから間もなく2年が経とうとしている。

術後しばらくして術後仮性膵嚢胞を合併しなかなか自然吸収されないばかりか、どんどん大きくなってしまいステント留置の治療を受けた。

その後もたびたび原因のはっきりしない腹痛で救急外来に駆け込み鎮痛薬のお世話になり、安静と検査のための入院を繰り返してきた。

膵臓の手術は侵襲の大きなものだから多かれ少なかれ術後の不調はあるものだと言いながらも常に原因の追究をし続けてくれた主治医のお陰で自分の体の状態を少し理解できるようになってきた。

最近まで繰り返してきた急性腹症(突発的に襲ってくる腹部の疝痛)は便秘による閉塞性大腸炎で腹膜に固定されていない横行結腸が長くたわんだ状態にあり、且つ膵体尾部と脾臓を切除した空間に大腸が入り込み便が流れにくくなってしまっていることと、便が引っ掛かりだすと腸の血流を妨げてしまい炎症や痛みを生じているのだということ。

通常の軟便くらいだと引っ掛かってしまうので緩めの便を心がける必要があり、食生活や運動だけでなく緩下剤を量は調節していいので必ず毎日服用した方がいいということ。

術後は腸の動きが悪くいつもお腹が張っている感じがしていて発酵食品やオリゴ糖系の果物、水溶性食物繊維などを積極的に摂ってウォーキングもするなど、なるべく薬を飲まずに生活できるよう努力していた。

でも、薬とも仲良く付き合っていかなきゃならないらしい。

7cmもの腫瘍でありながら良性で抗がん剤なども投与する必要がなく、合併症もそれほど重度なものではなく日常生活を送れるという恵まれた状況なのだから少しでも健康であろうと、そうでなくては罰が当たるようなそんな気持ちもあったらしく、気持ちが空回りしているような虚しさは感じた。

血糖値もHb-A1cも最近正常値ギリギリになってきて日頃気を付けていることが虚しく感じてきていたこととも重なっているのかな。

とても些細なことなのにとても未来を不安に感じてしまった。

もう一度、絶望から未来が開けた時の感謝を思い出して今を大切にしながらかけがえのない今に感謝しながら過ごそうと思う。

何をするべきかは解っているのだからできることをやっていこうと思う。