膵体尾部・脾臓合併切除後の癒着

膵内分泌腫瘍の診断を受け手術を受けてから2年半の年月が過ぎました。

術後の合併症や転移疑いでの入院を繰り返していた頃が少し懐かしく感じられるくらいに日常が病院と縁遠くなりつつありますが、数か月前までは突然の腹痛で短期入院を繰り返していました。

慢性的なお腹の張りと便秘傾向、日常的に起こる自制内の腹痛・背部痛を抱えながらもある程度の家事をこなせるようになり、1年前から週3回程度のパートにも行けるようになりました。

しかし、2~3ヶ月毎に突発的な腹部・背部の激痛で緊急入院。

白血球・CRPの上昇はあるがアミラーゼや肝機能の異常はなく超音波では小腸や下行結腸での腸液充満を認め、造影CT・MRIでは異常所見は認めないという結果。

3~4日程度の入院でその間絶食し輸液で経過、特に治療らしいことはせず腸の安静を図るだけで炎症反応は消失し食事開始で問題なければ退院し自宅安静のくりかえしでした。

腸蠕動を亢進させるセンノサイド系の下剤は腹痛を誘発させるため使用せず、腸液の分泌を亢進させるアミティーザは悪心や食思低下が出現しマウス実験で着床した受精卵が消えるなどの報告があるとのことで妊娠を完全には諦められない心境もあり使用を中止し、緩下剤のマグミットだけで経過観察中でした。

私自身もですが、家族や職場の上司・仲間からこんなに繰り返すのは心配だからとセカンドオピニオンを勧められました。

知人の紹介で消化器内科を受診し、精査を行いましたが術後癒着が著しい以外に異常所見はなく、これまでの痛みは癒着性のものだろうとの見解でした。

ただ、この時医師からお腹の張っている頻度と痛みの頻度どちらが多いか聞かれ、お腹の張りは四六時中あることを伝えると、腸を少しづつ動かしてお腹の張りをまずは解消してみようと提案されました。

腸蠕動を少しずつ亢進させて腸浮腫を軽減させることで腹痛が激痛に移行するのを軽減できるかもかもしれないという説明でした。

その過程で痛みの頻度が上がるようならアプローチの仕方を変えるということで、まずはガスモチン→大建中湯で腸蠕動を亢進させてみようということになりました。

ガスモチンを1週間ほど内服していると少しお腹の張りが楽になり痛みはほとんどありませんでした。

それまで当たり前のようにあった張りが少しでも楽になると、もっと楽になりたいと欲が出て少し効果の強い大建中湯に変更してもらいました。

処方は毎食前に2包ずつですが、便が緩くなるようなら自分で調整しても良いとのことでした。

喜ばしいことにお腹の張りはほぼ無いに等しくなり、月経周期で変わる便秘と緩便に合わせて大建中湯とマグミットを調整しながらこの5ヶ月は入院するこてゃなく経過しています。

日常の中で腹痛や背部痛は時々ありますが、以前のように冷や汗が出たり吐いたり過呼吸になるような激痛はなくなりました。

余談ですが、お腹が張っている頃は肌荒れがひどく老け込んでしまっていましたが、今は肌の調子が良く体重も手術前に戻りました。